「法定雇用率」って?

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「法定雇用率」って?

法定雇用率とは…

障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリテーションの措置等を通じて、障害者の職業の安定を図ることを目的とする「障害者雇用促進法(正式名称:障害者の雇用の促進等に関する法律)」で、一定規模以上の企業に対し、一定比率以上の割合で障害者を雇用することが義務付けられており、これが障害者の「法定雇用率」です。
従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)

現行の法定雇用率は何%?

国・地方公共団体等の法定雇用率は2.5%、都道府県等の教育委員会が2.4%です。
民間企業は2.2%で、従業員を45.5人以上雇用している企業は、障害者を1人以上雇用しなければなりません。
この「法定雇用率」は、2018(平成30)年4月から3年を経過するより前に、更に0.1%引き上げられることがもう決まっています。
また、2.3%となった際には、対象事業主の範囲も43.5人以上になります。

精神障害者も対象に…
厚生労働省によると、障害を持っている方の総数は936.6万人で、これは日本の総人口の約7.4%に相当します。
身体障害者は436.0万人、知的障害者は108.2万人、精神障害者は392.4万人です。

区分 人数 構成比
身体障害者 436.0万人 46.6%
知的障害者 108.2万人 11.6%
精神障害者 392.4万人 41.9%
障害者の総数 936.6万人 7.4%(総人口に対する割合)
総人口 12693.3万人
障害者雇用促進法の制定は1960(昭和35)年で、制定時の雇用義務対象は身体障害者のみでした。
1987(昭和62)年に知的障害者も対象になり、制定から半世紀以上過ぎた2018(平成30)年4月から精神障害者も対象に加わりました。

「法定雇用率」未達成だとどうなる?
障害者を雇用している企業とそうでない企業が同じ扱いというのは不公平ということで、経済的負担を納付金という形で分配しアンバランスを調整する目的の「障害者雇用納付金制度」があります。
未達成の企業は「納付金」を徴収され、達成企業には「障害者雇用調整金」「報奨金」が支給されます。

障害者雇用納付金の徴収

常時雇用している労働者数が100人を超える障害者雇用率(2.2%)未達成の事業主は、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて1人につき月額50,000円*(障害者雇用納付金)を納付しなければなりません。
*常時雇用している労働者数が100人を超え200人以下の事業主については、平成27年4月1日から平成32年3月31日まで障害者雇用納付金の減額特例(不足する障害者1人につき月額「50,000円」を「40,000円」に減額)が適用される。注)減額特例の適用には条件があり

障害者雇用調整金

常時雇用している労働者数が100人を超える事業主で障害者雇用率(2.2%)を超えて障害者を雇用している場合は、超えて雇用している障害者数に応じて1人につき月額27,000円の障害者雇用調整金が支給されます。

報奨金の支給

常時雇用している労働者数が100人以下の事業主で、各月の雇用障害者数の年度間合計数が一定数(各月の常時雇用している労働者数の4%の年度間合計数又は72人のいずれか多い数)を超えて障害者を雇用している場合は、その一定数を超えて雇用している障害者の人数に21,000円を乗じて得た額の「報奨金」が支給されます。

水増し問題に差別的内容…
中央省庁が障害者の雇用数を水増ししていたと報道され、また、財務省の障害者向け非常勤職員の求人では、「自力により通勤ができ、かつ、介護者なしで業務の遂行が可能であること」といった差別的な内容があったとのこと…。
お役人さんは、「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針(概要)(厚生労働省)」を読んでいないのでしょうかねぇ…。

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