沖縄に「上陸」した台風はない!

ちょっと雑学

沖縄に「上陸」した台風はない!

2016年8月の台風は「初」尽くし?
8月に入り、例年を上回るペースで台風が発生しました。
台風1号が発生したのは7月3日で過去2番目の遅さでしたが、8月は急増し、上陸数ではすでに平年値を超えました。(台風の上陸数の平年値は8月0.9:年間2.7)北海道に1年で3回上陸したのは1951年の統計開始以来初めてです。
台風7号(CHANTHU)が8月17日、台風11号(KOMPASU)が8月21日に北海道へ直接上陸し、台風9号(MINDULLE)が8月22日に、一旦千葉県館山市付近に上陸してから北海道へ再上陸しました。
1週間で3つの台風が連続で同じ地域に上陸したことも「初」でしょう。
過去に1週間以内に3つの台風が連続で上陸したことはあったでしょうか?
3連続台風の共通点
1998年に3つの台風の上陸場所は異なりますが、1週間以内に3連続で台風が上陸しています。(1998年の台風の状況は発生数16、接近数8、上陸数4)
上陸した4つの台風のうち、台風5号 (STELLA)が9月16日(静岡県・北海道)、台風8号(WALDO)が9月21日(和歌山県)、台風7号が9月22日(和歌山県・山形県)に、1週間以内に3連続で上陸しています。和歌山県は8号・7号が連続上陸です。
実は、この1998年と今年2016年にはある共通点があります。
それは、両年とも台風1号の発生が7月と遅かったことです。
今年2016年の台風1号の発生は7月3日、1998年は更に遅い7月9日で、1998年は1951年の統計開始以来台風1号発生が最も遅かった年です。
1998年の3つの台風による人的被害は、死者25人・行方不明者1人・負傷者658人。
住宅被害は全壊91棟・半壊1,138棟・一部損壊49,027棟・床上浸水3,053棟・床下浸水13,866棟。
被害は26都道府県に及びました。因みに昨年2015年は、1月13日で12月11日まで12か月連続で発生しました。
1月から12月まで毎月の台風発生は、統計開始以来初の記録です。
これまでの年間連続発生記録は1965年の1月〜11月までの11か月。
また、年をまたいで2014年6月~2015年12月の19か月連続発生は、1964年5月~1965年11月の最長記録とタイ記録です。
台風「上陸」最多は2004年
2004年6月から11月まで約半年間に渡って続きました。
2004年の台風の発生数は29個。
そのうち、日本への上陸数は10個で、上陸率は34.5%、平年値2.7個の3.7倍となりました。
当時の上陸数の最多は1990年と1993年の6個で、これを大幅に更新しました。
各地で多くの犠牲者や被災者が出たほか、農産物を中心に経済への打撃も深刻なものとなりました。
特に、台風23号は平成になって最多の死者・行方不明者数(死者:95・行方不明者:3)を記録し、甚大な被害をもたらしました。
台風の「初」や「記録更新」は、オリンピックなどと違い、喜べませんね。
沖縄県には台風が上陸したことがない?

気象庁が1951年~2015年台風第27号までの上陸数が多い都道府県を発表しています。

順位 都道府県 上陸数
1位 鹿児島県 39
2位 高知県 26
3位 和歌山県 22
4位 静岡県 19
5位 長崎県 15
6位 宮崎県 12
6位 愛知県 12
7位 熊本県 8
8位 千葉県 7
9位 徳島県 5
9位 神奈川県 5
沖縄県は、毎年どの都道府県よりも多く台風が「上陸」しているような気がしますが、ベスト10に入っていません。
その謎は気象庁の「上陸」の定義にありました。
「日本に上陸した台風」を台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合としているからです。小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出る場合は「通過」といいます。
「上陸」という表現を使うには条件があったんですね。
沖縄県はこの「小さい島」に属することになり、沖縄県に「上陸した台風は0」となるのです。
沖縄や奄美地方、小笠原諸島などでは「最接近し、通過する」という表現になります。
因みに、1951年から2015年までの沖縄地方への台風の接近数は479で、本土への接近数355の1.35倍です。
台風の上陸・接近・通過の定義
上陸 台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸に達した場合をいう。
接近 a)ある地点への台風の接近:台風の中心が、その地点を中心とする半径300km以内の域内に入ること。
b)ある広がりをもった地域(地方予報区など)への台風の接近:台風が、その地域の地理的な境界線(海岸線、県境など)から半径300km以内の域内に入ること。
通過 台風の中心が、小さい島や小さい半島を横切って、短時間で再び海上に出る場合を言う。
台風豆知識
台風に名前があるって知っていますか?
2000年から、東アジア地域の太平洋で発生した台風に関しては、直接影響を受ける東アジアの14か国が加盟する台風委員会が名前を付けています。
詳しくはこちら 台風アジア名一覧
覚えていますか?知っていますか?
過去に日本に大きな被害を与えた台風を掲載しています。
詳しくはこちら 台風と被害
台風が「上陸」しなかった年は?
1951年から現在までの台風の上陸数・接近数・発生数を一覧にしています。
詳しくはこちら 台風上陸数・接近数・発生数
気象庁予報用語豆知識
「平年(値)」って?
ところで天気予報でよく耳にする「平年(値)」っていつからいつまでのことかご存知ですか?
気象庁では、西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新しています。
つまり、現在使われている平年値は「1981~2010年」の観測値によるものです。
平成23年(2011年)5月18日から、使用が開始されています。
「迷走台風」は予報用語じゃない!
新聞やテレビでは「迷走台風」という文字をよく目にしますが、気象庁では現在「複雑な動きをする台風」という言い換えています。
気象庁の「気圧配置 台風に関する用語」では、「迷走台風」に「使用を控える用語」を意味する「✕」が記され、「複雑な運動をし、その進路の予想が困難なことがある台風」と説明があり、「台風が迷走しているわけではないので用いない」と備考が書かれています。
確かに、台風自体が迷っているわけではないですよね。
他にも「ゲリラ豪雨」は「局地的大雨」や「集中豪雨」に、「爆弾低気圧」は「急速に発達する低気圧」などと言い換えています。