「人生100年時代」が迫ってきた?

ちょっと雑学

「人生100年時代」が迫ってきた?

百歳高齢者表彰
厚生労働省が9月13日に発表した「百歳高齢者表彰」の対象者数は3万1747人で、前年度に比べ1,368人増加し、過去最多となりました。
表彰の対象となる高齢者は、今年度中に百歳に到達し、又は到達する見込みの方で「 老人の日 」にご存命の方です。
「老人の日」って???
 老人の日 」って何月何日のことだかわかりますか?
そういえば、昔は「 老人の日 」と言っていたけど、今は「 敬老の日 」ではないのと思われるも多いのではないでしょうか。
 敬老の日 」の発祥地は、兵庫県多可郡野間谷村(現:多可町)。
野間谷村で昭和22(1947)年に行われた敬老行事をきっかけに、昭和25(1950)年、9月15日を「としよりの日」としようとする敬老・福祉の県民運動が開始されました。
「としよりの日」は後に「 老人の日 」を経て、昭和41年(1966年)に国民の祝日「 敬老の日 」へと発展しました。当時の「 敬老の日 」は9月15日でしたが、「国民の祝日に関する法律及び老人福祉法の一部を改正する法律」(平成13年法律第59号)により、2003年から「 敬老の日 」は9月第3月曜日へ移動しました。所謂「ハッピーマンデー制度」によるものです。(ハッピーマンデー制度の第一弾の移動は2000年の「成人の日」と「体育の日」。第二弾の移動は「海の日」と「 敬老の日 」)
平成13年(2001年)の老人福祉法の改正により、9月15日が「 老人の日 」、同月21日までの1週間が「老人週間」と定められました。
「純銀から洋銀に」
百歳高齢者記念事業が始まった昭和38(1963)年度の対象者はわずか153人。
高齢化が進み、今年度の対象者は当初の207倍にまで激増しました。
対象者には内閣総理大臣からお祝い状と記念品の銀杯が贈られます。
その記念品の銀杯が、今年度からは純銀製から洋銀(銀メッキ)へと材質が変更されることになりました。銀杯の単価は時々の銀の価格によって異なりますが、平成22年度から平成26年度の5年間の平均単価は約6,800円。
平成26年度の経費状況を見ると、銀杯に221.1百万円(単価7,020円)、お祝い状に16.1百万円、発送に1.0百万円かかっています。
洋銀にすることで1個あたり約3,800円に抑えられるそうです。厚生労働省は、28年度予算では前年度の2.7億円より1.2億円少ない1.5億円を計上しています。
この銀杯の表には「寿」、裏面には「老人の日記念」「平成○○年9月15日」「内閣総理大臣」の文字が刻まれています。
毎年3月に翌年度の対象者数を見積もって発注をするのですが、例年9月までに約1割の方が亡くなるために、余った分を翌年、鋳造し直す費用負担も生じるそうです。
銀杯贈呈廃止の声も多く聞こえるようですが、厚生労働省によると「地方自治体や国民の間に記念品の贈呈の継続を希望する声もある」ということで記念品(銀杯)の見直しということになったということですが、「記念品」「銀杯」に拘る理由は何なのでしょう。
記念品の銀杯の仕様変更は今回が二度目。
一度目は平成21年度で、銀杯の直径をそれまでの10.5センチから9センチに縮小しました。
30年度には対象者が39,000人を上回るとの予測ですから、更なる対策が必要となりそうですね。
「洋銀」って何だかご存じですか?
洋銀とは「銅 Cuにニッケル Ni10~20%,亜鉛 Zn15~25%を加えた合金で,洋白ともいう」だそうです。
銀は含まれていません。銀が含まれていないのに洋銀とはこれ如何に(´-`;)
因みに純銀(銀)の元素記号Agです。
決して、シルバー(Silver)のSiではありませんよ。
それぞれの「シルバー」
高齢者の方のことを「シルバー」、秋の大型連休も「シルバーウィーク」ということがありますね。
それぞれの「シルバー」はどこからきたのでしょうか。
まずは、「シルバーウィーク」から…。
「シルバーウィーク」の「シルバー」は高齢者を意味するものではなく、「ゴールデンウィーク」の「ゴールド(金)」に対する「シルバー(銀)」。
「シルバーウィーク」には2つの説があります。
1950年代に映画界によって提唱された「文化の日」を中心とした一定期間という説と、9月または10月末から11月の祝祭日が多い大型連休という説。
ハッピーマンデー制度設定により、「敬老の日」と「秋分の日」を絡めた9月の連休を指すことが多くなりました。
これまでの9月の5連休は、2009年と2015年。
次に5連休となるのは2026年の予定。
これはあくまでも予定です。
決定でない理由は「秋分の日」にあります。
何故なら、
「祝日としての春分の日・秋分の日は、前年の2月1日に、春分の日・秋分の日の日付が書かれた『暦要項(れきようこう)』が官報に掲載されることによって、正式決定となります。」
と決められているからです。
でも、参考として2030年までの「春分の日」「秋分の日」は載っています。
国立天文台「西暦2000~2030 年の春分日・秋分日
「シルバーウィーク」は「プラチナウィーク」ともいわれます。
それは「ゴールデンウィーク」と違い、大型連休が発生することが貴重なことからかもしれませんね。
因みに、某国営放送では、ゲストの方は別として、「ゴールデンウィーク」という言葉は使いません。
かならず「大型連休」と言い換えています。
高齢者の「シルバー」は、国鉄時代に「銀婚式」を意識して展開された「シルバー周遊券」に端を発するそうです。
その後昭和48年9月15日の敬老の日に初めて国鉄(現在のJR東日本)の山手、中央、京浜東北線に「シルバーシート」設置され(シートカバーの色がシルバーだった)、これ以後「シルバー」という言葉が、老齢・高齢・老人問題関係のキャッチフレーズに使われるようになりました。
国鉄といえば、1981(昭和56)年の高峰三枝子さんと上原謙さんの「フルムーン」のCMをご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの由来は、新婚旅行の「ハネムーン」に対して、満月を意味する「Fullmoon」と「古ムーン」だとか。
現在もJRでは「フルムーン夫婦グリーンパス」として発売されているようです。
JR西日本によると、きっぷの種類は「一般用」と「シルバー用」があり、それぞれ「5日間用」「7日間用」「12日間用」の3種類を用意。
二人の年齢の合計が利用開始日に88歳以上である場合、利用でき、さらに、二人のうちどちらかが70歳以上の場合、「シルバー用」を利用できるそうです。(シルバー用料金はは一般用より5,000円安い)
流行語大賞が3年前から始まっていれば、「フルムーン」は大賞間違いなしだったかもしれません。(流行語大賞は1984(昭和59)年から)
「人生100年時代」
我が国の平均寿命は、平成27(2015)年現在、男性80.79年、女性87.05年。
今後、男女とも平均寿命は延びて、2060年には男性84.19年、女性90.93年になると推計されており、「人生100年時代」が夢でなく現実味を帯びてきました。
超高速で進む高齢化で、膨らむ社会保障給付費。
今後、介護保険制度・年金制度・高額療養費制度など様々な制度の見直しがされていくようです。
これからは、毎年、人生設計を見直す必要に迫られるのかもしれませんね。