年齢調整死亡率って?

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年齢調整死亡率って?

死亡率には2種類ある…
死亡率には、ある地域の死亡者数をその地域の人口で割った値の「粗死亡率」と年齢構成の異なる地域間で、死亡状況の比較ができるように年齢構成を調整した「年齢調整死亡率」があります。
仮に2015年の人口が100,000人の高齢者が多いA市と高齢者が少ないB市で1,000人の方が亡くなった場合の人口10万人あたりの「粗死亡率」は、1,000人÷100,000人×100,000で年齢構成が違うA市・B市共に1,000となります。
年齢調整死亡率はどうやって計算するの?
では、先ほどのA市とB市で年齢調整死亡率がどのように違ってくるのか計算してみましょう。
年齢調整死亡率は下記の順で求めます。
①対象とする地域(ここではA市・B市)で年齢階級別の死亡率を計算し、
②「モデル人口」 の年齢階級別人口に、①で得られた各階級の死亡率を乗じ、
③②を全年齢階級で足し合わせて、
④モデル人口の合計で割った値。
両市の死亡数は同数としそれぞれの年齢構成を以下のように仮定します。
実際には5歳階級別の死亡数と人口で求めます。

年齢階級 死亡数 A市 B市
15歳以下 5人 13,500人 18,000人
15~64歳 115人 59,500人 64,500人
65歳以上 880人 27,000人 17,500人
合計 1,000人 100,000人 100,000人
モデル人口って?
計算に入る前に気になるのが②の「モデル人口」ですよね。
「年齢調整死亡率」を求めるためには「モデル人口(基準とする人口)」が必要なのです。
現在、日本の死因別・都道府県別「年齢調整死亡率」を求めるために使われているのは「昭和60年モデル人口」です。

年齢階級 昭和60年モデル人口
0~4歳 8,180,000人
5~9歳 8,338,000人
10~14歳 8,497,000人
15~19歳 8,655,000人
20~24歳 8,814,000人
25~29歳 8,972,000人
30~34歳 9,130,000人
35~39歳 9,289,000人
40~44歳 9,400,000人
45~49歳 8,651,000人
50~54歳 7,616,000人
55~59歳 6,581,000人
60~64歳 5,546,000人
65~69歳 4,511,000人
70~74歳 3,476,000人
75~79歳 2,441,000人
80~84歳 1,406,000人
85歳以上 784,000人
合計 120,287,000人

えっ?「昭和60年」???って思われた方も多いのではないでしょうか。
昭和60年は西暦1985年です。
今回の人口動態特殊統計では2015(平成27)年の年齢調整死亡率を求めていますから、30年も前ということになりますよね^^;
deathrate02
実は、「昭和60年モデル人口」も平成2年からの使用で、それまでは「昭和35年モデル人口」が使われていました。
「昭和60年モデル人口」は、昭和60年国勢調査人口を基礎に、ベビーブームなどの極端な増減を補正し、四捨五入によって1,000単位としたものです。
「昭和60年のモデル人口」がわかったところで、A市とB市の年齢調整死亡率を計算すると、
deathrate01 高齢者の多いA市の年齢調整死亡率の方が高齢者の少ないB市より低くなります。
粗死亡率(2015年)」で最も死亡率が低い沖縄県が、「年齢調整死亡率(2015年)」では男性17位・女性27位となるのは高齢者が少ないためです。
年齢調整死亡率で男女ともに最下位、つまり年齢調整死亡率が最も低い長野県は、粗死亡率では20位です。

年齢調整死亡率にも2種類ある?
先ほど紹介した年齢調整死亡率の計算方法は「直接法」といわれるものです。
直接法による年齢調整死亡率の計算には対象人口の年齢階級別死亡率が必要ですから、対象人口が少ないと信頼度が低くなります。
その場合は「間接法」によって計算します。
「間接法」による年齢調整死亡率の計算方法はまたの機会に紹介します。
二つの死亡率の差から見えてくるもの…
全死因の年齢調整死亡率と粗死亡率との差は、男性は1990(平成2)年、女性は1980(昭和55)年頃から逆転し、近年は更に拡大する傾向にあります。
deathrate
また都道府県別に粗死亡率の年齢調整死亡率に対する比率をみると、
deathrate03 概ね65歳以上人口の割合が多い県ほど、比率が高くなっているのがわかります。
つまり、「粗死亡率」と「年齢調整死亡率」この二つの死亡率から見えてくるのは「高齢化」です。