熱中症という病気はない???
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熱中症という病気はない???
気象庁では2007年から…
「猛暑日」が続き「熱中症」という言葉を聞かない日がないですね。
「猛暑日」と「熱中症」という言葉はともに、2007(平成19)年4月1日から加えられた気象庁の「予報用語」です。
因みに「酷暑日」という言葉もよく耳にしますが、「酷暑日」は気象庁の「予報用語」ではありません。
ただし、「酷暑」は解説用語(気象庁が発表する報道発表資料、予報解説資料などに用いる)として使われています。
「猛暑日」と「熱中症」という言葉はともに、2007(平成19)年4月1日から加えられた気象庁の「予報用語」です。
因みに「酷暑日」という言葉もよく耳にしますが、「酷暑日」は気象庁の「予報用語」ではありません。
ただし、「酷暑」は解説用語(気象庁が発表する報道発表資料、予報解説資料などに用いる)として使われています。
熱中症 | 高温に対して注意・警戒を呼びかける際に使用 |
猛暑日 | 日最高気温が35℃以上の日に関して用語を新たに定義 |
「熱中症」をテーマにいろいろと資料を探していて、「『熱中症』という病気はない」という記事を目にしました。
総務省消防庁・気象庁・厚生労働省・環境省などの公的機関は、「熱中症」を警戒するようにとメッセージを発信しています。
それなのに「予報用語」として「熱中症」があるのに本当に「熱中症」という病気はないのでしょうか?
本題に入る前に「熱中症」の死亡者数を見てみましょう。
熱中症死亡者数の8割は高齢者…
厚生労働省によると、2015(平成27)年の「熱中症」の死亡者数は、男517人、女451人で合計968人で、統計として把握できる昭和39年以降過去最高となった2010(平成22)年の1,731人、2013(平成25)年の1,071人に次いで多くなっています。
また、総務省消防庁によると、今年(2017年)5月1日から7月30日までに「熱中症」で救急搬送された人の数は31,756人(うち死亡者数は30人*)。*救急搬送による死亡者数です
これは前年(2016年)の同期間の確定値24,123人に比べて、救急搬送人員で7,633人多い数値となっています。
年齢階級別にみると、65~79歳が307人、80歳以上が474人で、65歳以上の死亡数が全体の8割を占めています。
これは前年(2016年)の同期間の確定値24,123人に比べて、救急搬送人員で7,633人多い数値となっています。
年齢階級別にみると、65~79歳が307人、80歳以上が474人で、65歳以上の死亡数が全体の8割を占めています。
熱中症による死亡者数を発生場所別にみると65歳以下では家(庭)が93人(50.0%)、65歳以上では家(庭)が357人(45.7%)。
また、65歳以上ではほぼ同数の358人の発生場所が詳細不明の場所となっています。
また、65歳以上ではほぼ同数の358人の発生場所が詳細不明の場所となっています。
死因分類は二本立て!
厚生労働省の人口動態統計では「外因」と「傷害の性質」に基づく二本立ての死因分類が行われています。
1995年から適用されているICD-10では、「第19章:損傷、中毒およびその他の外因の影響」の中に「熱および光線の作用(T67)」の項目があり、これが傷害の性質としての熱中症死亡者数に対応しています。
「第20章:傷病および死亡の外因」の中に「自然の過度の高温への曝露(X30)」と「人工の過度の高温への曝露(W92)」の項目があり、これらが外因としての熱中症死亡者数を表しています。
1995年から適用されているICD-10では、「第19章:損傷、中毒およびその他の外因の影響」の中に「熱および光線の作用(T67)」の項目があり、これが傷害の性質としての熱中症死亡者数に対応しています。
「第20章:傷病および死亡の外因」の中に「自然の過度の高温への曝露(X30)」と「人工の過度の高温への曝露(W92)」の項目があり、これらが外因としての熱中症死亡者数を表しています。
S00-T98 損傷,中毒及びその他の外因の影響 | |||
T66-T78 外因のその他及び詳細不明の作用 | |||
T67 | 熱及び光線の作用 | ||
T67.0 熱射病及び日射病 (1) | |||
T67.1 熱性失神 (2) | |||
T67.2 熱(性)けいれん<痙攣> (1) | |||
T67.3 日射病,無汗性 (1) | |||
T67.4 塩分喪失による日射病 | |||
T67.5 日射病,詳細不明 (1) | |||
T67.6 熱疲労,一過性 (1) | |||
T67.7 熱性浮腫 (1) | |||
T67.8 熱及び光線のその他の作用 (2) | |||
T67.9 熱及び光線の作用,詳細不明 |
V00-Y98 傷病及び死亡の外因 | ||
X30-X39 自然の力への曝露 | ||
X30 自然の過度の高温への曝露 | ||
X31 自然の過度の低温への曝露 | ||
X32 日光への曝露 | ||
X33 落雷による受傷者 | ||
X34 地震による受傷者 | ||
X35 火山の噴火による受傷者 | ||
X36 なだれ,地すべり及びその他の地面の運動による受傷者 | ||
X37 暴風雨による受傷者 | ||
X38 洪水による受傷者 | ||
X39 その他及び詳細不明の自然の力への曝露 | ||
W92 | 人工の過度の高温への曝露 |
厚生労働省の人口動態統計での「熱中症」の死亡者数は、上記の「自然の過度の高温への曝露(X30)」にあたります。
うーん、上の表1の中に「熱射病」「日射病」「熱性失神」「熱性痙攣」という病名はありますが、「熱中症」は見当たりませんね^^;
「熱中症」はここにある!
「熱中症」は高温という気象状態が引き起こす生涯・症状を表すの総称のことです。
「痴呆症」が「認知症」、「成人病」が「生活習慣病」と呼ぶようになったように、「日射病」が「熱中症」となったと勘違いをしている方もいるかもしれませんが、「日射病」は現在もちゃんとあります。
この「熱中症」という言葉も平成になって出来た言葉ではなく、明治30年には論文にあるようです。
しかしながら、「熱中症」という言葉が浸透してきたのは、異常気象に伴い死亡者数が増加してきた平成になってからではないでしょうか。
「日射病」が「熱中症」となったと勘違いする方がいても不思議ではないかもしれませんね。
あっ、「熱中症」は上の表1のT67.8をクリックしてみてください。
「熱及び光線のその他の作用」の中に「暑気あたり」とともにちゃんとあります。
「痴呆症」が「認知症」、「成人病」が「生活習慣病」と呼ぶようになったように、「日射病」が「熱中症」となったと勘違いをしている方もいるかもしれませんが、「日射病」は現在もちゃんとあります。
この「熱中症」という言葉も平成になって出来た言葉ではなく、明治30年には論文にあるようです。
しかしながら、「熱中症」という言葉が浸透してきたのは、異常気象に伴い死亡者数が増加してきた平成になってからではないでしょうか。
「日射病」が「熱中症」となったと勘違いする方がいても不思議ではないかもしれませんね。
あっ、「熱中症」は上の表1のT67.8をクリックしてみてください。
「熱及び光線のその他の作用」の中に「暑気あたり」とともにちゃんとあります。