高齢者の入院費はいくらかかる?

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高齢者の入院費はいくらかかる?

高額療養費制度では…

2017(平成29)年8月~2018(平成30年)7月診療分までの70歳以上の方の上限額は以下のようになっています。

区分 1か月あたりの自己負担限度額
外来(個人単位) 外来+入院(世帯単位)
現役並み所得者 57,600円 80,100円+(医療費-267,000)×1%
一般 14,000円(年間上限144,000円) 57,600円
低所得者Ⅱ 8,000円 24,600円
低所得者Ⅰ 15,000円

高齢者の場合、医療費の自己負担額だけをみると年金だけでなんとかなりそうですが、問題は保険外の費用です。

食事代

食事代も所得・年齢により異なります。

区分 食事代(1食)
一般 360円*1
低所得者Ⅱ(70歳以上) 210円*2
低所得者Ⅰ(70歳以上) 100円

*1:一般の食事代は2018(平成30)年4月より460円になります。
*2:91日以降160円。当月を含めた過去12カ月間の入院日数の合計で計算。

1食360円だと1日1,080円ですから、月(31日)では33,480円。
210円では、1日630円で月19,530円。
100円では、1日300円で月9,300円。
病院によっては病床の療養・回復期リハ・地域包括ケアなどの種類により異なる場合もあります。
また、年齢区分も違うケースもあります。

差額ベッド代
差額ベッド代(特別療養環境室)は、病院によりかなり差があります。
高齢者の場合は入院期間が長期に渡る可能性が高くなります。
支払いが困難な場合は、「払えない」旨をはっきりと病院側に伝えることが必要です。
安易に「同意書」「利用申込書」にサインをしない方がいいでしょう。
病衣のレンタル代
病衣のレンタルも病院によって様々です。
病院が直接レンタルを行っている病衣だけのレンタルがある場合は70円から100円くらいで済みます。
業者がレンタルを行っている場合は、病衣とタオルのセットでのレンタルで350円~400円くらいです。
病衣だけのレンタルが出来ない業者が多いと思いますが、歯ブラシ・歯磨き粉・入歯ケース・入歯洗浄剤・ティシュー・ウェットティシュー・綿棒といった消耗品(持ち帰り可)や、爪切り・ボディソープ・シャンプー(持ち帰り不可)などが利用できます。
また、病衣とタオルなどセットプランを申し込めば、肌着・靴下などがオプション価格(150円~250円くらい)でレンタルできます。
入院先が患者の自宅・患者家族の家から近距離ならば、病衣・肌着類もレンタルせずに洗濯をしては持っていけばいいのですが、入院先が遠方となると交通費も時間もかかりますし、病状によっては病衣や肌着類が一日のうちに何度も汚れてしまう場合もありますから、レンタルの方がいいかもしれません。
紙オムツなど
紙オムツ類の料金も患者の状態と病院・業者により様々です。
日額170円~1,000円とかなりの差があります。
また多くの病院が、紙オムツ類の利用料金を患者側が直接業者に支払う(コンビニ払・クレジット払)システムを導入しています。
つまり、病院の診療請求費以外の支払いになるということです。
テレビ・冷蔵庫使用料
テレビ・冷蔵庫もカード購入タイプの病院と、テレビ・冷蔵庫・金庫などをベッドサイドシステム利用料として一日単位で(300円~500円くらい)取る病院があります。
テレビカード使用の場合は、視聴時間により利用料金に差が出ます。
後者の場合、テレビも冷蔵庫も使い放題ですが、1か月入院するとテレビを見ても見なくても、洗濯乾燥機を使っても使わなくても一日300円の場合で10,000円ちかくかかってしまいます。
入院はしたくはないけれど…
年齢を重ねるとどうしても転倒による骨折や心疾患・脳疾患などで入院する機会が増えてしまいます。
年金だけで生活を支えている場合、入院が長期化すると、入院費は払えても自宅の維持管理費が足らなくなる可能性も出てきますよね…。
入院費が安く済む病院を選べればいいのですが、こればかりはね…^^;
入院費例
入院費例

高額療養費制度について詳しくは­こちら 厚生労働省:高額療養費制度