「避難勧告」「避難指示(緊急)」「避難命令」、強制力が強いのは?

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「避難勧告」「避難指示(緊急)」「避難命令」、強制力が強いのは?

避難勧告等に関するガイドラインの改定
内閣府の「避難勧告等に関するガイドライン」が2017(平成29)年1月31日に改定されたことをご存じでしょうか。
2016(平成28)年の台風第10号による水害で、東北・北海道の各地で甚大な被害(死者・行方不明者27人)が発生し、岩手県岩泉町のグループホームでは入所者9名が全員亡くなりました。
高齢者施設において適切な避難行動がとられなかったことを受けて、これまで「避難準備情報」の名称は、高齢者等が避難を開始する段階であるということを明確にするため「避難準備・高齢者等避難開始」に名称変更されました。
また、「避難指示」は「避難指示(緊急)」と改定されました。
「指示」と「勧告」の意味は?
「指示」と「勧告」とどちらが強い感じがしますか?
「指示」とは、指し示すこと、命令という意味です。
一方、「勧告」とは、ある事をするように説き勧めることです。
「『午後に○○へ行け』と指示する」という言い方はしますが、「『午後に○○へ行け』と勧告する」とは言いません。
「勧告」の場合ならば、「『午後に○○へ行ったほうがいい』と勧告する」となります。
「避難勧告」「避難指示(緊急)」「避難命令」、強制力が強いのは?
「避難勧告」は、災害による被害が予想され、人的被害が発生する可能性が高まった場合に発令されます。
速やかに避難場所へ避難する、または、外出することで却って命に危険が及ぶような場合は、近くの安全な場所への避難や、自宅内のより安全な場所に避難することを呼びかけるものです。
「避難指示(緊急)」は、災害が発生するなど状況がさらに悪化し、人的被害の危険性が非常に高まった場合に発令されます。
まだ避難していない人に、緊急に避難場所へ避難することを呼びかけるものです(外出が危険な場合は「緊急勧告」と同様)。
「避難準備・高齢者等避難開始」は、「避難勧告」や「避難指示(緊急)」を発令することが予想される場合に出されます。
被害が予想される地域の住民、特に高齢者・乳児・障害のある方など、避難に時間がかかる人に早めの避難を呼びかけるものです。
「避難命令」と言われる方も時折見かけますが、内閣府のガイドラインには「避難命令」という言葉はありません。
従って、緊急性や避難の強制力は、「避難準備・高齢者等避難開始」→「避難勧告」→「避難指示(緊急)」の順に高くなります。

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