義援金格差はなぜ起こるの?

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義援金格差はなぜ起こるの?

義援金が届くまでの流れ
日本赤十字社の場合、ゆうちょ銀行・郵便局、三井住友銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行に収納された義援金は被災状況に応じて按分されて、被災都道府県に設置された義援金配分委員会へ届けられます。
また、各都道府県支部専用口座に振り込まれた義援金は該当都道府県の義援金配分委員会へ届けられます。
各都道府県の義援金配分委員会の決定に基づき、管下の配分対象市町村へ義援金が送金され、各市町村から申請した被災者に義援金が送金されます。
7月の西日本豪雨では、義援金の一次配分にかなりの府県格差がありました。
西日本豪雨の被害状況

義援金格差を見る前に、7月の西日本豪雨で被害が大きかった岡山県・広島県・愛媛県被害状況を見てみましょう。

平成30年7月豪雨及び台風第12号による被害状況及び 消防機関等の対応状況(第57報)
抜粋編集して掲載
岡山県 広島県 愛媛県
人的被害 死者 61人 109人 29人
行方不明者 3人 5人
重傷 9人 49人 29人
軽傷 152人 91人 6人
程度不明 2人
住宅被害 全壊 4,822棟 1,085棟 632棟
半壊 3,081棟 3,258棟 3,212棟
一部破損 1,108棟 1,996棟 92棟
床上浸水 2,921棟 3,234棟 360棟
床下浸水 6,035棟 5,603棟 2,692棟
義援金配分委員会への送金額はいくら?
日本赤十字社から各被災府県に設置された義援金配分委員会への送金額は以下の通りです。
義援金配分委員会が設置されている被災県は、「岐阜県」「岡山県」「高知県」「広島県」「京都府」「愛媛県」「福岡県」「島根県」「山口県」「兵庫県」の10府県(7月27日現在)

日本赤十字社からの送金額
平成30年8月31日現在
被災府県 送金額
岐阜県 87,927,767円
京都府 78,833,021円
兵庫県 21,501,020円
島根県 88,895,165円
岡山県 5,203,867,407円
広島県 1,228,436,061円
山口県 89,294,471円
愛媛県 1,423,760,691円
高知県 39,529,201円
福岡県 158,374,638円
合計 8,420,419,442円
一次配分額はいくら?
被害の大きかった岡山県・広島県・愛媛県それぞれの一次配分額は以下の通りです。
一次配分の総額は3県ともに5億円代ですが、広島県は緊急の配分として一律5万円としたのに対し、愛媛県は死者・行方不明者に50万円、全壊世帯に30万円ですから、ちょっと釈然としない感じはありますね。

被害別一次配分額
岡山県 広島県 愛媛県
市町村への配分額決定日 7月23日 8月7日 8月2日
一次配分額 5億5541万円 5億 925万円 5億1860万円
人的被害 死者 100,000円 50,000円 500,000円
行方不明者 100,000円 50,000円 500,000円
重傷 25,000円 50,000円 100,000円
軽傷 5,000円 0円 0円
程度不明 0円 0円 0円
住宅被害 全壊 80,000円 50,000円 300,000円
半壊 50,000円 50,000円 200,000円
一部破損 10,000円 50,000円 50,000円
床上浸水 30,000円 50,000円 100,000円
床下浸水 5,000円 0円 0円

それに加え、岡山県の決定日が被災から2週間であるのに対し、広島県はおおよそ1か月後ですから、「緊急」で一律なら、もう少し早くと思ってしまいますよね^^;
一次配分が早かった岡山県では、9月28日に義援金配分委員会が開催され、四次配分額を決定し、10月5日には被災者に送金されています(四次配分までの総額 死者・行方不明者、全壊100万円)。
愛媛県の二次配分決定は9月14日、広島県の二次配分(死者・行方不明者・全壊180万円)が決定したのは10月12日です。

市町村独自の義援金配分があるの?
これまでは、府県レベルでの義援金配分額(基準)をお伝えしましたが、市町村によっては府県からとは別に義援金(見舞金)が支払われています。
例えば、愛媛県大洲市では、二次配分が終わった時点で、亡くなられた方への義援金が308万円、全壊世帯には144.8万円支払われています。

 愛媛県大洲市 義援金配分額
愛媛県 大洲市 合計
一次配分 二次配分
人的被害 死亡者 500,000円 3,000,000円 80,000円 3,080,000円
重傷者 100,000円 300,000円 16,000円 316,000円
住家被害 全 壊 300,000円 1,400,000円 48,000円 1,448,000円
大規模半壊・半壊 200,000円 700,000円 32,000円 732,000円
床上浸水 100,000円 300,000円 16,000円 316,000円
一部破損(土砂) 50,000円 150,000円 8,000円 158,000円
格差の原因は…、
義援金の寄付先が、日本赤十字社か各支部かによって、第一段階の差が生じ、各都道府県の義援金配分委員会で第二段階の差が生じ、更に市町村独自の義援金があるかないかで、都道府県内での差が生じるという感じでしょうか。
同じような被害状況の場合、義援金格差や配分額決定日にあまり差の無いようにしていただきたいものですよね。
因みに県基準では「床下浸水」は義援金の対象外ですが、市町村によっては、わずかですが義援金は支給されるところもあるようです。
「床下浸水」は水災補償も対象外ですが、消毒や清掃に費用がかかります。
被災しないことが何よりですが、自然災害はいつどこでどういうふうに起こるかわからないですから、やはり「備え」と「蓄え」が必要ということですね^^;

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