「賃金センサス」って?

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「賃金センサス」って?

「センサス」の語源は…
「センサス(census)」の語源は、古代ローマ…。
5年ごとにローマ市民の数などの調査をする人のことを「センソール」といい、その調査を「センサス」と呼んでいたといわれています。
「センサス」とは、元来は人口静態統計を得るための全数調査のことですが、個々の対象に調査票を使って、全般的な多項目にわたる調査を行うことを意味します。

日本の「センサス」いろいろ…

農林水産省が行う「農林業センサス」・「漁業センサス」、総務省と経済産業省が行う「経済センサス」には、事業所・企業の基本的構造を明らかにする「経済センサス‐基礎調査」と事業所・企業の経済活動の状況を明らかにする「経済センサス‐活動調査」の二つがあり、これらは5年毎に行われます。
「賃金センサス」は、毎年厚生労働省が行っている「賃金構造基本統計調査」のことです。

「賃金センサス」と「毎勤」の違いは?

「賃金センサス(賃金構造基本統計調査)は、 賃金構造の実態を詳細に把握するための調査 です。労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数等の属性別に賃金等を明らかにします。毎年6月分の賃金(賞与については前年1年間)について同年7月に調査が実施され、翌年2月に結果が公表されます。
労災保険法による年金給付等の年齢階層別の最低・最高限度額や交通事故の損害賠償額算定の参考に使われるのが、「賃金センサス」です。
これに対し、「毎勤(毎月勤労統計調査)」は、 賃金、労働時間及び雇用の毎月の変動を把握するための調査 で、産業別、就業形態別の賃金等を毎月明らかにします。
調査の結果については、翌々月上旬に速報、その半月後に確報が公表されます。
「毎勤」は、労働者全体の賃金水準の変動を表すため、労災保険法による保険給付等のスライド率の算定や、雇用保険法による賃金日額の上限額、下限額の改定などに利用されています。
抽出方法や調査方法でいろいろと問題があった両統計ですが、根本的な問題点を解決して、正確な情報を提供していただきたいものですね…。

参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査と毎月勤労統計調査の相違について」