ヘルパンギーナ
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ヘルパンギーナ
「ヘルパンギーナ」は発熱と口の中の粘膜にみられる水疱性の発疹が特徴で、その大多数はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスの感染によるものです。
毎年5月頃から流行し始め、6~7月がピークとなります。
年齢は4歳以下がほとんどで、1歳代がもっとも多く、感染経路は接触感染を含む糞口感染と飛沫感染です。
2~4日の潜伏期の後、突然の39~40℃の高熱に続いて、咽頭の粘膜の発赤が目立つようになり、上あごの粘膜やのどの奥に直径1~2mmほどの小水疱が出現します。
小水疱は破れて浅い潰瘍を形成し、疼痛を伴うこともあります。
発熱は2~4日間程度で解熱しますが、口腔内の疼痛のため不機嫌や哺乳障害、経口摂取不良を起こし、乳児では脱水症をきたすこともあります。
発熱時に熱性痙攣を起こし、無菌性髄膜炎を合併するケースもありますが、ほとんどの場合予後は良好です。
症状が強い急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強いですが、回復後にも2~4週間の長期にわたって便からウイルスが検出されることもあります。
「ヘルパンギーナ」は、「手足口病」「咽頭結膜熱(プール熱)」とともに、「子どもの三大夏風邪」とも呼ばれます。
国立感染症研究所によると、2023年6月26日~7月2日の1週間に全国約3,000の小児科定点医療機関から報告された「ヘルパンギーナ」の患者数は20,360人、1医療機関あたりでは6.48人で、過去10年で最も多い数となっています。
新型コロナウイルスの感染対策で病気になる機会が減って、免疫が低下したことが一つの原因と考えられています。