異常洪水時防災操作

「異常洪水時防災操作」とは、通常の放流と異なって、これ以上ダムに水を貯められないと想定される際に、ダムに流れこんでくる大量の水を下流に流す操作のことです。
一般的には「緊急放流」といいます。
通常、ダムは洪水の一部を予め空けている部分（洪水調節容量）に貯め込み、下流の河川で氾濫が発生しない程度の放流を行いますが、甚大かつ長時間にわたる豪雨が発生した場合に洪水を貯め続ければ、ダム湖の貯水位が上昇し続け、いずれはダムを越水することも想定されます。
ダムの容量は限られており、豪雨のように長時間にわたる洪水を貯め続けるには限界があるため、ダムに貯留することができる容量が限界に近づいてくると貯水位を上昇させないよう、やむを得ず、ダムへの流入量と同程度の放流量とする「異常洪水時防災操作」を行います。
「異常洪水時防災操作」では、ダムへの流入量と同程度の放流をすることになるため、堤防が完成している地域でも、河川の氾濫による浸水被害が発生することがあります。
ただし、異常洪水時防災操作を行った場合でも、ダムは流入量と同程度の放流をするため、ダムが存在しない場合に比べて、被害をより大きくすることはありません。

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