多剤耐性アシネトバクター

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多剤耐性アシネトバクター

「アシネトバクター」は、土壌や河川水などの自然環境中に生息する環境菌のことです。
健康な人の皮膚などから見つかることもありますが、通常は無害です。
「多剤耐性アシネトバクター」は、通常のアシネトバクター感染症の治療に使用する抗菌薬がほとんど効かなくなっている菌のことです。
「多剤耐性アシネトバクター」は、主に細菌感染症に対する抵抗力が低下した患者に人工呼吸器関連肺炎、血流感染症、創部感染症など様々な病気を引き起こしますが、症状は病気の種類によって異なります。
また、感染症や症状を起こさずに付着しただけの保菌状態となることもあります。
「多剤耐性アシネトバクター」は、一度発生すると病院内に広がることがあり、主な感染経路は接触感染です。
呼吸器感染症をきたした場合は、そこから飛沫感染の形で伝播する可能性がありますが、空気感染することはありません。
通常、感染症の流行は集中治療室の患者やその他の重症患者で起こり、医療機関の外で起こることは滅多にありません。