HUS

「HUS（hemolytic uremic syndrome）：溶血性尿毒症症候群」とは、微小血管症性溶血性貧血（赤血球が壊れて貧血がおこる）、血小板減少（血小板が多量に消費されて少なくなる）、急性腎障害（腎臓の働きが急速に低下する）を３徴候とする急性の劇症疾患です。
先行して下痢を伴う場合（典型的HUS ：約90%）と下痢を伴わない場合（非典型的HUS：約10%）の2群に大別されます。
先行して下痢を伴う「典型的HUS」は、一過性で、集団発生することがあり、幼小児に多く見られます。
また、「非典型的HUS」は、年長から成人に多く見られ、再発もあり、時に遺伝性を認めることもあるといわれています。
ともに原因は明らかになっていませんが、多くの場合、先行して何らかの感染症を起こしており、特に、病原性大腸炎O-157（腸管出血性大腸菌）の感染に続いて起こる場合は、下痢を伴い、幼小児ばかりでなく、成人でも発症する場合もあります。