アンカリング効果

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アンカリング効果

「アンカリング効果(Anchoring Effect)」とは、最初に与えられた数字(アンカー)を基準に考えることで、その後に提示された別の数字への認識が異なるという現象のことで、心理学における認知バイアスの一つです。
「アンカリング効果」は、行動経済学者のダニエル・カーネマンと心理学者のエイモス・トベルスキーが、共著の論文で提唱しました。
「アンカー(Anchor)」は、「錨」という意味で、「アンカリング(Anchoring)」とは、船の錨を下げて船を繋ぎ留めることです。
例えば、同じ仕事で「明日までに納めます」と宣言した人と「3日後までに納めます」と宣言した人がいたとして、2人とも2日後に納品をしたとすると、実際には同じタイミングであるにも関わらず、「明日」と言った人は時間にルーズな印象を与えるのに対して、「3日後」と言った人はむしろ、「期日より早めに仕上げようとする真面目な人」という印象になります。
営業の場合、契約の際に顧客に見積書を提出する際に、見積書の中に値引き欄を設け、合計金額からの割引額を表示することでお得感を演出できます。
これもアンカリング効果の活用の一つです。
セールなどでよく見かける「通常価格より70%OFF」などの表示では、値下げ後の価格を通常価格(アンカー)と比較すると、値下げされた商品をとてもお得と感じてしまいます。
この場合、値下げされた商品が「通常価格ほどの価値があるかどうか」「本当に必要な商品なのかどうか」など、表示に惑わされずに、商品を選択することが大切になります。