メッケル壁室
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メッケル壁室
「メッケル壁室」とは、出産までに胎児と母体を結んでいた卵黄管が出産後も残ったもので、小腸の壁の一部が外側に飛び出た袋状の突起物のことです。
乳児の1〜3%に生まれつき「メッケル壁室」があるといわれており、男児が女児の2倍多い傾向にあります。
「メッケル壁室」の位置は、回盲(かいもう:小腸から大腸への移行部)末端から40~60cmまでの口側にあることが多いとされています。
この憩室の中に小腸の組織だけでなく、胃粘膜や膵臓の組織が入っていることもあります。
ほとんどの人は無症状といわれていますが、約20%の人に症状が発生します。
憩室の中に入り込んでいる胃粘膜の酸分泌により、消化性潰瘍を生じ、消化管出血をきたします。
そのためタール便や新鮮血便、貧血になります。
出血は幼児期に多く、前ぶれなく突然大量の下血をみることがあります。
また、腸重積や腸閉塞などを起こし、腹痛、嘔吐、腹部膨満、ショックなどをきたすこともあります。
虫垂炎との区別が問題になることもあります。