劇症型溶血性レンサ球菌感染症
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」とは、主にA群溶血レンサ球菌(Streptococcus pygenes)による細菌感染症で、咽頭炎やとびひなどが有名です。
損傷したバリア(皮膚損傷など)または粘膜を通って細菌が侵入し、さらに深部組織・血流を通って全身にまで広がることで、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome: STSS)」に発展します。
メデイアなどで「人食いバクテリア」といった病名で、センセーショナルな取り上げ方をされることがあります。
症状は、咽頭痛、発熱、消化管症状(食欲不振・吐き気・嘔吐・下痢)、全身倦怠感・低血圧などの敗血症症状、筋痛などです。
また、手足の強い痛みがみられることが多く、続いて発熱や悪寒、筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が現れます。
めまいや錯乱状態を伴うこともあります。
病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には軟部組織壊死、急性腎不全、成人型呼吸窮迫症候群、播種性血管内凝固症候群、多臓器不全を引き起こし、ショック状態から死に至ることがあります。
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の致死率は30%で、去年は患者数が941人と過去最多になり、今年も過去最悪のペースで増加しています。