アミグダリン

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アミグダリン

「アミグダリン(amygdalin)」は、ビワ・アーモンド・アンズ・ウメ・スモモ・モモなど、バラ科の植物の種子や未熟な果実に天然に含まれている物質です。
「アミグダリン」を人間が食べると、体内で毒性の強いシアン化水素(青酸)に変わります(青酸配糖体)。
摂取量が多いと、頭痛、めまい、悪心、嘔吐などの中毒症状を起こす危険があります。
「アミグダリン」はかつて一部で「ビタミンB17」と呼ばれていましたが、実際は人間の代謝に必須の栄養素ではなく、欠乏症も報告されていません。そのため、現在はビタミンの定義には該当しないとされています。
また一部で議論された「抗がん作用」については、アメリカの国立がん研究所が臨床研究に基づき否定しています。
海外では「アミグダリン」の大量摂取による、健康被害事例や死亡事例が報告されています。
厚生労働省は地方自治体あてに、「ビワ種子粉末について、10ppm(10マイクログラム/g)を超えてシアン化合物(総シアン)が検出された場合には、原則として、食品衛生法第6条第2号(有害な物質を含む食品の販売を禁止)に該当するものとして措置すること」と事務連絡をしています。
花粉症の人の中には、果物や生野菜を食べた後、数分以内に唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどがあらわれる「口腔アレルギー症候群」を発症することがあるようです。
2024年6月25日には、山梨県富士吉田市立小中学校の11校で、約3500人分の給食に国内産のビワを出し、児童・生徒らは給食を食べた後、ノドや目のかゆみや目の赤い腫れなどの症状を訴えました。