「酉年」にちなんで…
ちょっと雑学
「酉年」にちなんで…
なぜ酉年生まれは少ないのか
酉年生まれは前回酉年の2005(乙酉)年も最下位でした。
十二支 | 2005年 | 2017年 |
---|---|---|
子 | 1,096万人 | 1,091万人 |
丑 | 1,117万人 | 1,108万人 |
寅 | 1,076万人 | 1,073万人 |
卯 | 1,057万人 | 1,057万人 |
辰 | 1,082万人 | 1,076万人 |
巳 | 1,089万人 | 1,082万人 |
午 | 1,038万人 | 1,040万人 |
未 | 1,098万人 | 1,087万人 |
申 | 1,097万人 | 1,082万人 |
酉 | 943万人 | 943万人 |
戌 | 983万人 | 986万人 |
亥 | 1,082万人 | 1,076万人 |
総数 | 12,759万人 | 12,686万人 |
2005年と2017年、それぞれの生まれ年別の人数をみてみましょう。
生まれ年 | 2005年 | 2017年 |
---|---|---|
1909(明治42)年 | 6万人 | - |
1921(大正10)年 | 58万人 | 14万人 |
1933(昭和8)年 | 134万人 | 96万人 |
1945(昭和20)年 | 140万人 | 128万人 |
1957(昭和32)年 | 148万人 | 145万人 |
1969(昭和44)年 | 185万人 | 185万人 |
1981(昭和56)年 | 154万人 | 151万人 |
1993(平成5)年 | 118万人 | 119万人 |
2005(平成17)年 | - | 105万人 |
総数 | 943万人 | 943万人 |
おやおや~、1993(平成5年)生まれは2005年より2017年の方が増えていますね(笑)
酉年は、2015年から3年連続最下位で、2006年の10位が最高位で、2007年~2014年まで連続8年11位です。
年 | 順位 | 年 | 順位 |
---|---|---|---|
2017年 | 12位 | 2011年 | 11位 |
2016年 | 12位 | 2010年 | 11位 |
2015年 | 12位 | 2009年 | 11位 |
2014年 | 11位 | 2008年 | 11位 |
2013年 | 11位 | 2007年 | 11位 |
2012年 | 11位 | 2006年 | 10位 |
酉年生まれは何故少ないのでしょうか。
それは第二次世界大戦が終結した1945年が酉年にあたるためと、酉年は第一次ベビーブーム(昭和22年~24年)と第2次ベビーブーム(昭和46年~49年)のいずれにもあたらないため。(残念ながら、1945年の出生数は不明です。)
因みに、2005年以降の13年間で1位獲得回数が多かった十二支は「丑」。
1位が11回、2位が1回、3位が1回と「丑」は最強(?)の十二支です。
こちらの理由は、ベビーブーム。
第一次ベビーブームでは、1949(昭和24・己丑)年の出生数が2,696,638人、第二次ベビーブームでは、1973(昭和48・癸丑)年の出生数が2,091,983人と二つのベビーブーム中最も多い出生数を記録しています。
「三の酉の年」は火事が多い?
江戸時代から続く「酉の市」は、11月の「酉の日」に執り行われます。
当初は、11月の「初酉(一の酉)」が「酉の市」として定着し、江戸中期より次第に、「二の酉」「三の酉」まで行われるようになったと伝えられています。
「三の酉」といえば、「三の酉の年は火事が多い」と聞いたことはないですか?
「酉の日」は12日ごとにまわってきますから、11月の1日から6日の間に一の酉のある年には、必ず「三の酉」もあることになります。
1998(平成10)年からの今年までの20年間でみてみると、「三の酉」がある年が10回です。
つまり、「三の酉」の年はそんなに珍しいことではありません。
年 | 一の酉 | 二の酉 | 三の酉 |
---|---|---|---|
1998(平成10)年 | 10日 | 22日 | - |
1999(平成11)年 | 5日 | 17日 | 29日 |
2000(平成12)年 | 11日 | 23日 | - |
2001(平成13)年 | 6日 | 18日 | 30日 |
2002(平成14)年 | 1日 | 13日 | 25日 |
2003(平成15)年 | 8日 | 20日 | - |
2004(平成16)年 | 2日 | 14日 | 26日 |
2005(平成17)年 | 9日 | 21日 | - |
2006(平成18)年 | 4日 | 16日 | 28日 |
2007(平成19)年 | 11日 | 23日 | - |
2008(平成20)年 | 5日 | 17日 | 29日 |
2009(平成21)年 | 12日 | 24日 | - |
2010(平成22)年 | 7日 | 19日 | - |
2011(平成23)年 | 2日 | 14日 | 26日 |
2012(平成24)年 | 8日 | 20日 | - |
2013(平成25)年 | 3日 | 15日 | 27日 |
2014(平成26)年 | 10日 | 22日 | - |
2015(平成27)年 | 5日 | 17日 | 29日 |
2016(平成28)年 | 11日 | 23日 | - |
2017(平成29)年 | 6日 | 18日 | 30日 |
因みに今年から2020年までの4年間では三の酉が3回もあります^^;
年 | 一の酉 | 二の酉 | 三の酉 |
---|---|---|---|
2017(平成29)年 | 6日 | 18日 | 30日 |
2018(平成30)年 | 1日 | 13日 | 25日 |
2019(平成31)年 | 8日 | 20日 | - |
2020(平成32)年 | 2日 | 14日 | 26日 |
過去の「三の酉」の年と出火率を見ても、突出して出火率が高いということはありません。
干支と三の酉と出火率
「三の酉」の年は珍しいことではないことは確かです。
そういえば、昨年末の「糸魚川の大火」で「奇跡の一軒」として報道されたお宅は木造住宅です。
「丈夫な家」を作って欲しいとの家主さんからの要望に応え、地元の工務店が建てたもので、屋根や外壁にステンレスや耐火煉瓦、窓も耐火ガラスやペアガラスを使用し、また火の粉が入りにくい構造だったようです。
建築費用は一般の住宅の1.5倍だったとか…。
消防庁によると、「大火とは、建物の焼損面積が3万3,000㎡(1万坪)以上の火災」のこと。
丙午の年も火事が多い?
「丙午」生まれの女性は、「気性が激しく夫の命を縮める」はよく耳にします。
これも迷信と言われていますよね。
この迷信には、「八百屋お七」の存在が関係しているようです。
「(丙午生まれとされる)お七は火事で焼け出され、火事が縁で恋仲になった恋人に会いたい一心で放火をして自身が火あぶりになる」という「お七」の話は「火尽くめ」で語り継がれています。
しかし、お七の史実はほとんどわかっていません。
勿論、「お七」が「丙午」の生まれなのかも確かではありません。
ただ、五行説では「丙午」は「火」に関係しているようです。
(五行説と干支はこちら )
「丙」は「火の陽干」で、「酉」は「火の陽支」ですから、「丙午」は「火」ととても関係の深い干支であることは間違いないようです。
このことと「八百屋お七」の「火尽くし」の話が盛られて現在に至っているのではないでしょうか。
少なくとも1906(明治39)年と1966(昭和41)年の出生数には影響があります。
特に1966昭和41)年には前年の出生数の25%も少なくなっています。
年 | 干支 | 出生数 |
---|---|---|
1905(明治38)年 | 乙巳 | 1,452,770人 |
1906(明治39)年 | 丙午 | 1,394,295人 |
1907(明治40)年 | 丁未 | 1,614,472人 |
1965(昭和40)年 | 乙巳 | 1,823,697人 |
1966(昭和41)年 | 丙午 | 1,360,974人 |
1967(昭和42)年 | 丁未 | 1,935,647人 |
1906(明治39)年より「丙午」の影響が出たのは何故でしょう。
そこには、「人工中絶」があるのかもしれません。
人工中絶数は第一次ベビーブーム最後の年の1949(昭和24)年には101,601件でしたが、1953(昭和28)年から1961年までの9年間は100万件を越しています。
年 | 中絶数 | 出生数 |
---|---|---|
1949(昭和24)年 | 101,601件 | 2,696,638人 |
1950(昭和25)年 | 320,150件 | 2,337,507人 |
1951(昭和26)年 | 458,757件 | 2,137,689人 |
1952(昭和27)年 | 798,193件 | 2,005,162人 |
1953(昭和28)年 | 1,068,066件 | 1,868,040人 |
1954(昭和29)年 | 1,143,059件 | 1,769,580人 |
1955(昭和30)年 | 1,170,143件 | 1,730,692人 |
1956(昭和31)年 | 1,159,288件 | 1,665,278人 |
1957(昭和32)年 | 1,122,316件 | 1,566,713人 |
1958(昭和33)年 | 1,128,231件 | 1,653,469人 |
1959(昭和34)年 | 1,098,853件 | 1,626,088人 |
1960(昭和35)年 | 1,063,256件 | 1,606,041人 |
1961(昭和36)年 | 1,035,329件 | 1,589,372人 |
1962(昭和37)年 | 985,351件 | 1,618,616人 |
1963(昭和38)年 | 955,092件 | 1,659,521人 |
1964(昭和39)年 | 878,748件 | 1,716,761人 |
1965(昭和40)年 | 843,248件 | 1,823,697人 |
1966(昭和41)年 | 808,378件 | 1,360,974人 |
1966(昭和41)年の中絶数も808,378件ありますから、「人工中絶」が、明治と昭和の「丙午」の出生数(前年比)の違いに影響を大きく与えたのではないでしょうか。
「丙午」だから、出産を控えた方も多少はいるでしょうが、所謂「中絶ブーム(?)」もあったのではと考えられます。
1953(昭和28)年の出生数と中絶数を合わせると2,936,106になりますから、第一次ベビーブーム最後の年の合計数2,798,239を超えていますね。
今年は「酉年」なのに「丙午」と「少子化」の話になってしまいました(笑)
2017(平成29・丁酉)年はどんな年になるのでしょう。
五行説では、「丁」は「火の陰」、「酉」は「金の陰」で、火が金を溶かす年だとか…^^;
「バタバタ貧乏」な酉年にならないことを祈ります。
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