「キログラム」が変わるって???

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キログラムが変わるって?

「キログラム」は、日常生活でよく使う単位の一つです。
その「キログラム」が2019年5月20日から変わるというのです。
日常生活に何か変化が起こるのでしょうか^^;
「キログラム」は基本単位の中の変わり者
「キログラム」「キロメートル」などに使われている「キロ」は、単位の「103(1000) 倍」を表わすSI(国際単位系)接頭語で、記号には小文字の「k」を使います。
コンピューターでも「キロバイト」と「キロ」が使われていますが、こちらは二進法に基づいて「210(1024)倍」を表す語で、記号には大文字の「K」を用います。
「キログラム」は、SI(国際単位系)の基本単位ですので、「Kg」「KG」という書き方は認められていません。
7つのSI(国際単位系)基本単位「メートル m(長さ)」「キログラム kg(質量)」「秒 s(時間)」「アンペア A(電流)」「ケルビン K(熱力学温度)」「モル mol(物質量)」「カンデラ cd(光度) 」のうち、「キログラム kg」だけ接頭語のキロがついていますよね。
また、「キログラム」は、1889年以来現在まで、SIの基本単位の定義の中で唯一原器に頼っている基本単位なのです。
「キログラム」の定義はなぜ変わるの?
「キログラムの定義」が2019年5月20日から変わる理由は、その「原器」にあります。
「キログラム」は質量の単位で、単位の大きさは「国際キログラム原器」の質量に等しいと定義づけされています。
定義変更の理由は、「国際キログラム原器」とその複製である副原器との間で、約50µg(マイクログラム)の質量差が生じたことにあります。
50µgは、1kgに対して1億分の5で、指紋1個の脂と同じくらいとされています。
「1億分の5」の揺らぎくらいで、日常生活に直接影響はないだろうと思ってしまいますが…。
何が変わる?
2019年5月20日、130年にわたって質量の基準としてあった「国際キログラム原器」がその任務を終え、1キログラムは「プランク定数」という物理学の定数を介して定義されることになります。
「プランク定数」を基準にすればng(ナノグラム:10億分の1グラム)以下の重さを測れるようになるのだそうです。
1983年の「長さ」の定義が変更され、レーザー光のようなツールを測定に使えるようになりました。
今回の「質量」の定義変更により、厳密な重さの計測が可能となれば、各国の規格を満たすために高価な試薬をmg単位で使わなければならない創薬の現場では無駄な使用量を減らすことができるようになり、またPM2.5・インクジェットプリンターの液滴・半導体の薄膜など重さを正確に測ることで研究の加速が期待できるそうです。
「キログラム」の他、「アンペア」「ケルビン」「モル」の定義も改定され、新しい定義への移行は一斉に行われます。
「キログラムの定義」が変わったからといって、直ぐに生活に影響が出ることもありませんし、勿論、体重が軽くなるようなことは起こらないそうです^^;
普段、殆どと言っていいくらい意識することのない「単位」ですが、もしも統一された共通の単位がなかったら、それぞれが自分の「ものさし」ではかって取引をすることになり、大問題に発展してしまいます。
当たり前のように使っている単位に感謝しなければいけないということですね。